忘れねばこそ思い出さず候
片時も忘れることはないので思い出すこともありません、という意味だそうです。
原文は『夕べは浪の上の御帰らせいかが候、館の御首尾は恙無くおわしまし候や、御見のまも忘れねばこそ思い出さず候 。かしこ』三浦屋の高尾太夫が愛顧を受けた仙台伊達綱宗公に宛てた文で、押井守監督の『イノセンス』のなかで引用されています(バトーの台詞として)。
べ、別にあなたのこと思い出したりしてないんだからねっ、だって一瞬だって忘れることなんかないんだからっ!いっつもあなたのこと考えてるんだからぁっ!!
…みたいにするとツンデレっぽい。
そのイノセンスを観てたら(DVDを持ってるのでたまに流しておく。台詞は聞こえなくてもいい。古今東西さまざまな文献から引用を多用した台詞はたとえすべて耳に入ったとしても脳を抜けていったりする。あれはBGMだとどこかの誰かがいっていた)切なくなりました。いや、人形解体シーンにときめく変態ですが切ないラブストーリーでもあるよね。
置いていかれた無骨な男は消えてしまった上司を想い続けながら黙々と仕事するですよ。
作中に登場する愛玩用アンドロイド(作中ではガイノイドと称する)ハダリはおかっぱで小柄で着物で百合の花を差していて、少女めいた姿がぞっとするほど綺麗。モデルとなった吉田良氏の球体間接人形の実物を見たことがありますが、ともかく目が離せなかった。
ハダリの、冒頭の自壊のシーンは本当にうつくしい。壮絶でグロくもありますがまるで花が咲くように、一気に開花するように壊れるんです。
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