『バッド・エデュケーション』



鮮やかな色彩。どこか渇いた空気。


舞台はスペインあたりか?と思ったらそうだった。スペイン映画というのは多分はじめて観た。独特な雰囲気はあの国のせいか、それとも登場人物たちの愛憎入り混じった感情のせいか。


1980年、マドリード。スランプ中の映画監督、エンリケのもとにかつての親友、イグナシオが現れる。少年時代にふたりが過ごした神学校でのできごとを脚本にしたから読んでほしいと頼むイグナシオは、エンリケが知っていた彼とはどこか違った。彼は本当にイグナシオなのか?衝撃的な内容の脚本はどこまで真実なのか?


謎を解くため、エンリケはイグナシオの過去をさぐりはじめる。


監督は『オール・アバウト・マイ・マザー』(とても好きな映画)、『トーク・トゥー・ハー』のペドロ・アルモドバル。PG12指定。


男性同士の露骨な性的シーンよりも寄宿舎での少年に対する神父の性的虐待(直接的な描写は省かれているにせよ)の方が個人的にはきつかった。むせかえるような登場人物たちの感情がせつない。